お知らせ
技能実習制度及び特定技能制度に関わる情報のお知らせ
技能実習制度及び特定技能制度に関わる情報のお知らせです。
すでにテレビや新聞などの報道でご存じかと思いますが、政府は、技能実習制度に代わるものとして育成就労制度を創設する方針を決定しました。新制度については、こちらの記事をご参照ください。
これに関して、政府の関係閣僚会議で「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応について」が決定、公開されました。
日本語教育関係者として関心を向けるべき点は、主にp.3の(2)と、関連でp.3からp.4にかけての(3)です。
「人材育成の評価方法」の(2)では、6点にわたって、各段階の次のステージに移行するための要件が挙げられています。その中では、最初の事項では「育成就労制度では、外国人が就労開始前までに日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)に合格すること又は相当する日本語講習を認定日本語教育機関等において受講することを要件とする。」(原文太字なし)のように現在の日本語教育の制度化に呼応する形で要件が定められています。(ただし、これは外国人本人の責任となるのか、雇用者が受講をさせることになるのか、曖昧です。)
しかし、それ以降は、単に「日本語能力〇相当以上の試験(
(3)の最初の事項で「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律の仕組みを活用して日本語教育の質の向上を図るとともに、受入れ機関が日本語教育支援に積極的に取り組むためのインセンティブとなる優良な受入れ機関の認定要件等を設ける。」 とは書いてありますが、就労開始後の日本語教育について、雇用者の責任は特段に挙げられていません。
現在のこの政府の方針は、「日本語教育の機会の拡充」という日本語教育推進法の精神に十分に応えていないのではないか、推進法の精神に沿って雇用者の責任をもっと明確に示すべきではないか、と指摘する人もいます。下に、推進法の関係部分を参考資料として添えます。
わたしたち日本語教育に従事する者としては、日本語教育の一層の振興のためにも、日本語教育推進法の精神に沿った形で進められているかという視点でこうした施策の動向をしっかりと見る必要があるかと思います。
会員の皆さんの関心の喚起のためという趣旨で情報を共有しました。
【参考資料:日本語教育の推進に関する法律からの抜粋】
第3章 基本的施策第1節 国内における日本語教育の機会の拡充(外国人等である被用者等に対する日本語教育)第十四条 国は、事業主がその雇用する外国人等(次項に規定する技能実習生を除く。)に対して、 日本語学習の機会を提供するとともに、 研修等により専門分野に関する日本語教育の充実を図ることができ るよう、必要な支援を行うものとする。 2 国は、事業主等が技能実習生(出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の技能実習の在留資格 をもって在留する者をいう。) に対して日本語能力の更なる向上の機会を提供することができるよ う、 教材の開発その他の日本語学習に関する必要な支援を行うものとす る。