修了生の声・成果
このページでは、JCN研修を受講した修了生からの感想と、JCN研修の成果を発展させて修了生が行った学会発表や公表されている学術論文などを掲載しています。修了生から事務局に報告のあったものを掲載しています。
修了生の声
2023年度 中堅研修コース 修了
野瀬由季子さん
私はこの中堅研修コース受験前、博士論文を執筆している最中でした。教師教育研究を専門領域として、どのような日本語教師研修を開発するとよいかを考えていました。そのため、他の日本語教育機関の方と関わることができ、かつ、研修をどのようにデザインできるかを受講生としても体験できるこの研修機会を逃したくないと思いました。とはいえ、なかなか参加に踏み出せませんでしたが、お世話になっている先生からもこの研修への参加を勧めていただき、受講を決意しました。
充実した研修環境の中で得られた大きな学びの一つは、『「見るもの」と「見ないもの」の両面性に気づくことの重要性』です。例えば、研修ではグループ全員が同じ講義動画を見てきているのに、面白いと感じた点が全く違っていたことがありました。これは他の人との対話を通してこそ気づけたもので、決して1人での活動は感じられない感覚でした。これから自分が取り組む教育課題においても、対話を重ねながら、見ようとする点をはっきりさせるだけでなく見ない点/見ようとしない点があることにも敏感になりたいです。
2023年度 中堅研修コース 修了
里井瑠衣子さん
研修受講のきっかけは、所属機関の上司の勧めでした。仕事がかなり立て込んでいて、研修を受ける余裕はないと思いましたが、忙しいことを理由に学ぶことを怠っていてはいけないと自分を奮い立たせ受講しました。この研修で得られた成果は計り知れません。研修の前と後で別人格になったような感覚さえあります。
研修は謎解きのようで、自身の課題はいつ解決に至るのかと思いながら参加していましたが、最終的に「課題の解決はない、常にすっきりしない状態」であることを知りました。常に課題に頭を抱え続けていた私ですが、その時から、課題にチャレンジし続けることができる現状を幸せだとさえ思うようになりました。また、この研修を機に広い視野で物事が見られるようになり、何か上手くいかない時も自分を責めなくなりました。自身の課題は学校全体の課題でもあり、課題をシェアすることで学校運営にもいい効果をもたらすことを知りました。一緒に学んだチームの仲間もすばらしく、深夜まで一つのレポートに取り組んだことも忘れられません。この研修を受けていなかったら、今の自分はないと思っています。素晴らしい機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
2022年度 中堅研修コース 修了
河本美代子さん
この研修の受講動機は、単純に日本語教師として、ブラッシュアップをしたかったからです。私は、いわゆる外国人の散在地域で個人事業主として日本語教育に携わっており、他の日本語教師の方との接触がほとんど無いので、研修などは毎年積極的に受けるように心がけています。この研修を通じて、多様な環境、立場で日本語教育に関わっている日本語教師の方々の活動を知ることができて、非常に多くのことが学べました。改めて、日本語教育の重要性と広がりを感じました。スクーリングや演習は大変でしたが、これまでの活動の振り返りと 、今後の目標について言語化することができ、さらに全体を通じてチームの講師、メンター、メンバーの皆様と意見交換をすることで、新たな視点や視野の広がりを得られました。これまでの聞いて終わりという座学的な研修と異なり、課題解決のための実践や研究をしなければならず、本当に大変でしたが、回を重ねるごとに新たな知見を得ることができ、最終的にチームのメンバーとともに課題解決のプロセスを体験することができました。ただの年数の積み重ねではなく、日本語教師の「中堅」とは何なのかが、明確に感じ取れた研修であったと感じています。
2021年度 講師育成コース 修了
安達万里江さん
中堅の受講者が課題に取り組む中,メンターとしてどのように伴走できるかを,講師や班長に見守られながら考え続けた5ヶ月間でした。同時に,受講生として理論と実践の往還を意識し,課題であった研修企画案を作成しました。大変でしたが,有意義な時間でした。研修後も関係者の方々とのつながりを持ち,実践持ち寄り会などができる仲間と出会えたことに感謝しています。
修了生による成果
JCN研修を活用した学会発表・論文として以下のようなものがあります。
- 平山允子(2022)「日本語教師のキャリアアップのために求められる能力 : 初任から中堅, そしてよりよい中堅へ」『日本語教育』181, pp.66-80.
- 水野瑛子・松本真由美(2022)「中堅日本語教師は研修をどう意味づけているのか:「JCN 研修」を振り返って」『2022年度日本語教育学会秋季大会予稿集』pp.314-319,ポスター発表.
- 安達万里江・秋田節子・前田和則・安原凜(2022)「JCN 関係者における交流活動の紹介・ 共有―研修後の私たち―」『2022 年度日本語教育学会秋季大会予稿集』p.19, 交流ひろば出展.
- 小畑美奈恵(2022)「日本語教師研修における実践現場の課題解決に向かう教師の学習-実 践共同体による学習のループ-」『早稲田日本語教育学』33 号, pp.61-80.
- 津坂朋宏・安原凜・前田和則・惟任将彦・安達万里江・平山允子(2022)「中堅日本語教師 研修での僕たち私たちの学び-2019 年度「日本語教育学会の人材,知財,ネットワーク を活かした中堅日本語教師のための研修事業(略称:JCN 研修)」を受講して」『グロー バルにつながるオンライン日本語教育シリーズ第 8 弾 世界中の日本語教育関係者のた めのオンライン交流会(2022 年 3 月 26 日)』発表
- 加藤林太郎・尾沼玄也(2023)「中堅日本語教師の社会貢献に対する志向と実践」『神田外語大学紀要』35 号, pp.295-317.
- 横山りえこ(2023)「地域日本語教育における教室運営にかかわる課題とその対応―国際交 流協会 A の事例から―」『言語文化教育研究』第 21巻, pp.222-240.
- 平山允子・津坂朋宏・栃丸華緒・安原凜・惟任将彦(2023)「日本語教師【中堅】研修への 参加経緯を可視化する試み」『令和5年度日本語学校教育研究大会予稿集』,pp.22-23
- 平山允子・津坂朋宏・栃丸華緒・小坂凜(2024)「現職日本語教師の研修参加径路 の可視化-現職者4名が日本語教師【中堅】研修参加に至るまで-」『日本語教育』187, pp.120-135.